あい紙 あいし(あいがみ)
Slip Sheet
あい紙(合紙・間紙)は、版画や水彩画などの紙作品を保管する際に、作品と作品の間に挟み込んで使う、保護用の薄い紙のことです。
紙は酸化やカビが発生すると、黄ばみや劣化の原因となります。また、作品表面のインクや色材などが外部からの紫外線や物理的な影響によりダメージを受ける場合があります。これらのダメージから作品を守るために、保管時はあい紙を作品の表面に重ねたり、作品と作品の間に挟むなどの処置を行います。
一般的には中性の薄葉紙(うすようし)、またはロール紙、グラシン(パラフィン紙)が用いられることが多いのですが、長期保存の場合には専用のSILティッシュ、ピュアガード(特殊製紙株式会社)などの保護紙を用いる方が良いでしょう。
あい紙は若干の光沢がありツルツルした面が表側です。作品を保存する際は、ザラついた裏側を画面に向け、一点ずつあい紙を置き、作品を重ねます。高温多湿な場所を避け、通気性の良いところで保存することが大切です。
あい紙は画材店などで手に入れることが可能です。
※描画例(写真)は、用紙の特性や表現の可能性を示すためのテストサンプルであり、特定の描画材の使用を薦めているものではありません。(一般的には適していないとされる描画材もあえて使用しています。)
関連項目
関連科目
参考文献
・「版画」武蔵野美術大学版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
参考ウェブサイト
・「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
・特殊製紙株式会社
監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授
作成日・改訂
2008年07月18日作成