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PDF

PDFとはPortable Document Formatの略で、電子文書用のファイルフォーマットです。拡張子は.pdfです。
1993年、アドビシステムズ社によって発表されましたが、現在はISO(国際標準化機構)の管理規格になっています。

PDFは、アドビシステムズ社から無償で配布されているAdobe Readerで表示・印刷することが可能です。
PDFの作成方法は、Adobe InDesignやAdobe Illustratorなど対応しているソフトウェアから直接書き出したり、Acrobat Distillerやその他のフリーウェアを使用するなどいくつかあります。DTPソフトウェアやワープロソフトなどの様々なソフトウェアから作成することができ、作成時のドキュメントにおけるレイアウトが保持されます。
つまりPDFは、OSやアプリケーションに依存せずに、印刷用のレイアウトのまま文章を交換することを目的に開発されたファイルフォーマットなのです。

PDFを作成する際、使用画像の解像度や圧縮方法などを任意に選択できます。
データのサイズを小さくすることもできるので、マニュアルや製品情報などWeb上で配布されるドキュメント類の事実上の標準となっています。
高品質のデータを作ることも可能であり、フォントのデータを埋め込んだり、出力環境に依存しないファイルを作成できるので、印刷会社への入稿用データとして利用されることも増えています。
用途に応じたPDF作成時の設定項目の理解は、PDFというファイルフォーマットの理解につながります。

Adobe Acrobatを利用すれば、PDFファイルへ注釈(コメント)を付加したり、複数のファイルを1つのPDFファイルにまとめることなどができます。また動画の埋め込み、セキュリティの設定(パスワード機能など)ができたりと、多機能なファイルフォーマットでもあります。PDFでやり取りをする環境を整備し相互の了解がとれれば、様々に用途を考えることができるでしょう。

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参考文献
・「カラー図解 DTP&印刷スーパーしくみ事典 2009年度版」ワークスコーポレーション 2009年
・「+DESIGNING +DTP VOLUME01 2007.SPRING」毎日コミュニケーションズ 2007年
・「PDFプロフェッショナルブック」赤羽紀久生/著 玄光社 2007年
・「Adobe InDesign CS2 ユーザガイド」(Adobe InDesign CS2付属ドキュメント)
・「Adobe Illustrator CS2 ユーザガイド」(Adobe Illustrator CS2付属ドキュメント)

監修
井上智史 通信教育課程デザイン情報学科非常勤講師

作成日・改訂
2009年03月17日作成

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  • Adobe InDesignからPDFを書き出す画面。
Adobe Illustratorなどでも設定項目はほぼ共通である。
「一般」では、基本的な設定を行う。
PDF/Xに準拠する場合には「標準」から規格を選択する。
PDF/Xとは印刷を目的としたPDFのサブセットであり、
安定した出力を行うために不必要な機能を省いたものである。
印刷会社への入校にはPDF/X-1aが現在の標準だろう。
「互換性」では対象とするAdobe Acrobatや
Adobe Readerのヴァージョンを選択する。
その他、ページ全てを書き出すか部分的に書き出すか、
見開きとして書き出すか、などの設定が行える
(印刷会社への入校の際には、単ページで書き出す)。Adobe InDesignからPDFを書き出す画面。 Adobe Illustratorなどでも設定項目はほぼ共通である。 「一般」では、基本的な設定を行う。 PDF/Xに準拠する場合には「標準」から規格を選択する。 PDF/Xとは印刷を目的としたPDFのサブセットであり、 安定した出力を行うために不必要な機能を省いたものである。 印刷会社への入校にはPDF/X-1aが現在の標準だろう。 「互換性」では対象とするAdobe Acrobatや Adobe Readerのヴァージョンを選択する。 その他、ページ全てを書き出すか部分的に書き出すか、 見開きとして書き出すか、などの設定が行える (印刷会社への入校の際には、単ページで書き出す)。
  • Adobe InDesignからPDFを書き出す画面(部分)。
「圧縮」では、書類の画像の圧縮に関する設定を行う。
ダウンサンプリングは使用画像が目的に対して
高解像度の場合に、画像のピクセル数を減らす処理であり、「上部画像」の解像度を超えると処理が行われる。
また圧縮方法では非可逆圧縮であるJPEGと、
可逆圧縮であるZIPを選ぶことができる。
ビジネス用途の場合はJPEGを選択し画質を低くしたり、
印刷用途など品質を重視する場合にはZIPを選択したりなど、用途に応じた設定を行う。Adobe InDesignからPDFを書き出す画面(部分)。 「圧縮」では、書類の画像の圧縮に関する設定を行う。 ダウンサンプリングは使用画像が目的に対して 高解像度の場合に、画像のピクセル数を減らす処理であり、「上部画像」の解像度を超えると処理が行われる。 また圧縮方法では非可逆圧縮であるJPEGと、 可逆圧縮であるZIPを選ぶことができる。 ビジネス用途の場合はJPEGを選択し画質を低くしたり、 印刷用途など品質を重視する場合にはZIPを選択したりなど、用途に応じた設定を行う。
  • Adobe InDesignからPDFを書き出す画面(部分)。
「トンボと裁ち落とし」「色分解」「詳細」では、
主に印刷に関する項目を設定する。
この設定に限らないが、印刷会社へのPDFでの入校の際は、どのような設定をすれば良いのか事前の確認が大切である。Adobe InDesignからPDFを書き出す画面(部分)。 「トンボと裁ち落とし」「色分解」「詳細」では、 主に印刷に関する項目を設定する。 この設定に限らないが、印刷会社へのPDFでの入校の際は、どのような設定をすれば良いのか事前の確認が大切である。
  • Adobe IllustratorからPDFで保存する画面。
「Illustratorの編集機能を保持」にチェックを入れると、
PDFファイルでも再びAdobe Illustratorで編集できる
(その分、ファイルサイズは大きくなる)。Adobe IllustratorからPDFで保存する画面。 「Illustratorの編集機能を保持」にチェックを入れると、 PDFファイルでも再びAdobe Illustratorで編集できる (その分、ファイルサイズは大きくなる)。
  • Acrobatの注釈ツールを利用すると、
PDFにコメントや校正を書き入れることができる。
書き込まれた注釈はAcrobat Readerでも見ることができ、
PDFを作成する側がAcrobatで設定をすると、
Acrobat Readerで注釈をつけることもできる。
他にも注釈がある箇所を一覧にする「注釈の一覧」機能など、PDFをやり取りする環境が整っていれば、便利な機能である。Acrobatの注釈ツールを利用すると、 PDFにコメントや校正を書き入れることができる。 書き込まれた注釈はAcrobat Readerでも見ることができ、 PDFを作成する側がAcrobatで設定をすると、 Acrobat Readerで注釈をつけることもできる。 他にも注釈がある箇所を一覧にする「注釈の一覧」機能など、PDFをやり取りする環境が整っていれば、便利な機能である。

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