Hz へるつ

Hertz (Hz)

ヘルツ(hertz)は周波数、振動数の単位であり、電磁波や音波の周波数などを示すのに用いられます。1秒間に1回の波動や振動の周波数を1ヘルツといい、1Hzと表記されます。

コンピュータに関してこの単位をよく目にするのは、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)の処理速度であるクロック周波数を示す場合でしょう。クロック周波数はCPUが1秒間に処理を行えるタイミングの回数です。例えばクロック周波数が1Hzであれば1秒間に1回、1MHz(メガヘルツ)であれば1秒間に100万回、1GHz(ギガヘルツ)であれば1秒間に10億回、処理の機会があります。従って3GHzのCPUとは、1秒間に30億回の処理を行う能力のあるCPUということになります(クロック周波数はCPUの性能を表す一つの値ではありますが、CPUの種類などによってもその性能は異ります)。

音声データのサンプリングレートもこの単位で示されます。アナログ状態の音は標本化と量子化という過程を経てデジタル化されますが、例えば一般的な音楽CD(CD-DA)のサンプリングレートは44100Hzです。音における周波数とは音程のことで、基本周波数が低ければ低い音、高ければ高い音です。人が聞き取れる音の範囲は20Hz~20000Hzで、聞き取れる一番高い音は1秒間に20000回振動していることになります。アナログ状態の音をデジタル化する場合には、元の音の周波数の2倍以上の周期で計測をする必要があるといわれていますが、1秒間に20000回振動する音をデジタル化しようとすれば、1秒間に40000回以上の回数で計測する必要があるということです。サンプリングレート44100Hzとは1秒間に44100回計測された音声データという意味です。
コンピュータでの編集を念頭において音声の録音などを行う場合は、この44100Hzというサンプリングレートが一つの基準となります。

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参考文献
・「電脳の教室 コンピュータリテラシー」佐藤淳一/著 武蔵野美術大学出版局 2005年
・「教養のコンピュータサイエンス 情報科学入門 第2版」岡部洋一・坂内正夫・小舘香椎子/監 小舘香椎子・上川井良太郎・中村克彦/著 丸善 2001年
・「マルチメディア」佐藤淳一/著 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「ディジタル・サウンド処理入門」青木直史/著 CQ出版 2006年

監修
井上智史 通信教育課程デザイン情報学科非常勤講師

作成日・改訂
2009年02月16日作成

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  • Windows XPの「システムのプロパティ」の表示(上)と、Mac OS Xの「このMacについて」の表示(下)。
この画面でもCPUのクロック周波数が確認できる。
この場合、単位はGHzである。Windows XPの「システムのプロパティ」の表示(上)と、Mac OS Xの「このMacについて」の表示(下)。 この画面でもCPUのクロック周波数が確認できる。 この場合、単位はGHzである。
  • 音声ファイル編集ソフト(上の例は「Audacity」)では、編集や録音時のサンプリングレートを数種類選べる。
デジタル録音機器などの性能を考える場合にも、44100Hzが一つの基準である。音声ファイル編集ソフト(上の例は「Audacity」)では、編集や録音時のサンプリングレートを数種類選べる。 デジタル録音機器などの性能を考える場合にも、44100Hzが一つの基準である。

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