DVD+R・DVD+RW でぃーぶいでぃー(ぷらす)あーる/あーるだぶりゅー

DVD+R・DVD+RW

DVD+R(DVD+Recordable)は記録層に有機色素を用いた追記型メディアで一旦書き込まれた情報は書き換えたり消去したりすることができません。DVD+RW(DVD+ReWritable)は記録層に金属系相変化物質を用いた書換型メディアで消去と再書き込みが可能です。

どちらの媒体もジオメトリはDVDと互換性があるので、大量生産に馴染まない用途において多用されていますが、パーソナルコンピュータでの情報交換を前提とするなら、インクリメンタルライトよりもディスクアットワンスによる書き込みを行った方が互換性を確保し易いようです。記録メディアの寿命は加速劣化試験による推定であり、温度と湿度の上昇や紫外線が寿命を大幅に短縮させることが判っているので、保存は乾燥した冷暗所で行うことが望まれます。また、CDよりも記録密度を高めた結果、相対的にディスク盤面に付着したゴミや傷、指紋などの汚れの影響を受け易くなっているので、丁寧かつ清潔な取り扱いが必要です。

DVD+R, DVD+RWに関わる諸規格はDVD+RW Alliance(DVD製品の研究開発や製造に関わる企業や組織によって構成される団体)が制定していますが、後発であることのメリットを生かしてDVD-Rや-RWの欠点を補い、家庭用のDVDレコーダやHDDレコーダでの追記・消去・編集などの利便性を向上させた仕様となっています。記録メディアへのロゴ掲示は認可制で最低限の品質基準が満たされる枠組みが作られている点がDVD-Rや-RWなどとは異なります。追記或いは書換型DVDは最終製造工程でメディアキーブロック(MKB:Media Key Block)とよばれる暗号キーとメディア毎に固有のメディアIDが記録されますが、DVD+RとDVD+RWでは標準規格のDVDだけしか読み取らない機器に対応するため、ユーザーがメディアIDに含まれるBookTypeをDVD-ROMに変更できるようになっています。(実際に変更するためには駆動装置にBookTypeを変更する機能が実装されている必要があります。またDVD+Rの場合には書き込み後にBookTypeを変更することはできません。)駆動装置などにおけるDVD±Rのような表記はDVD-RとDVD+Rを指すものであり、”±”という記録メディアが実在する訳ではありません。尚、録画用(for Video)とデータ用(for Data)では、前者には商品価格に私的録画補償金が上乗せされているという違いがあります。

テキストを全て表示

参考文献
・「図解DVD読本」徳丸春樹 横川文彦 入江満第/共著 オーム社 2003年
・「新DVDの基礎知識」第一I/O編集部/編 (株)工学社 2003年
・「長期保存のための光ディスク媒体の開発に関するフィージビリティスタディ」財団法人機械システム振興 協会/作成 財団法人デジタルコンテンツ協会/委託先 2006年

参考ウェブサイト
OSTA 
ECMA
CDs21ソリューションズ
DVDフォーラム
DVDアライアンス
日本規格協会
JEITA規格リスト
SMPTE規格リスト

監修
堀越洋一郎 通信教育課程デザイン情報学科教授

作成日・改訂
2008年02月20日作成

文字サイズを拡大

  • DVD+R(片面1層)の構造DVD+R(片面1層)の構造
  • DVD+RW(片面1層)の構造DVD+RW(片面1層)の構造
  • 読み込み面を、光の当たる角度を変えながら観察すると、
色面の違いが確認できます。
内側がデータの記録領域で、外側がデータの無記録領域です。読み込み面を、光の当たる角度を変えながら観察すると、 色面の違いが確認できます。 内側がデータの記録領域で、外側がデータの無記録領域です。
  • DVDに関するロゴマーク
  • DVDドライブとDVDメディアの対応表

このページの上部へ