プレス機 ぷれすき

Press

プレス機は版画の印刷の際に、圧力をかけることにより版と紙を圧着させて、版から紙へインクを転写するために使用する機械です。

プレス機は1400年代にブドウ圧搾機を改良し、活版印刷用に作られたものが始まりとされています。プレス機には凹版用、平版用、木版用などの種類がありますが、この他に何れの版種にも使用できる多目的プレス機と呼ばれるものがあります。また大きさにも種類があり、卓上におけるものから、電動で動く大型のものまで様々です。プレス機のベットプレートによって作品を印刷できる大きさが決まります。

凹版用、木版用、多目的用のプレス機は、上下二本ある鋼鉄製のローラー(シリンダー)が、それらの間に水平に挟まれているベッドプレートと呼ばれる可動式の平滑な板(鉄、樹脂、木製)に圧力をかけることで、ベッドプレートの上の紙と版面をプレスします。また、固定式のベッドプレートの上をローラーが左右に移動する構造のものもあります。これらは円圧式と呼ばれ、プレス機の側面に付いているハンドルを回すことで印刷します。ローラーの上方部に付けられたネジを締めることによって、プレスの圧力を調節することが可能です。
平版用のプレス機は、他の版腫と異なり、版に厚みがあり割れやすい素材である石版石で印刷をするため、他のプレス機とは少し構造が異なります。凹版用プレス機などに付いている鋼鉄製のローラーの代わりに、樹脂製や木に革を張ったラトー(スクレパー)と呼ばれるものが付いています。プレス機側面か上面に付けられた加圧レバーを引くことで、ラトーに圧力がかかり、ベットプレート上の紙と版面を圧着させます。平版用のプレス機のベッドプレートは、版台(ベッド)と呼ばれ、側面のハンドルを回すことで左右に移動します。石版石を使用する際には、そのまま版台の上に石版石を載せて使用しますが、アルミ板やジンク板を使用する際には金属製の定盤を版台に載せ、その上に版を置いて印刷します。
プレス機を取り扱う際は、衣服や体の一部を挟んでケガなどをしないよう気をつけましょう。プレス機は版画材料を扱っている画材店などで注文することができます。

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参考文献
・「版画」武蔵野美術大学油絵学科版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「版画事典」室伏哲郎/著 東京書籍 1985年
・「図画工作・美術用法事典」相田盛二/著 日本文教出版株式会社 1996年

監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2008年06月20日作成

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  • 凹版用プレス機凹版用プレス機
  • 平版用プレス機平版用プレス機
  • 電動式平版用プレス機電動式平版用プレス機
  • 多目的用プレス機多目的用プレス機
  • 凹版用プレス機各部の名称凹版用プレス機各部の名称

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