雲形定規 くもがたじょうぎ

French Curve

雲形定規は、様々な曲線を引く際に使用する製図用具です。名前の通り雲のような形をしています。雲形定規を使用すると、コンパスでは難しい様々な曲線を引くことができます。雲形定規は、通常は数枚がセットになって販売されており、そのためいろいろな曲線に対応できるようになっています。この中から、引きたい曲線に合うカーブを探して使用します。材質は、アクリルや透明プラスチック、木製のものがあります。なお、「万能雲形定規」と呼ばれる定規は、1枚のうちにより多くの曲線を備えており、雲形定規数枚分の働きを兼ねているので、少ない枚数で作業ができます。万能雲形定規は、12cm〜21cm程度の大きさのものがよく見られます。 雲形定規を使用する際は、あらかじめ、求める曲線のあたりをつけておき、その曲線に沿うように定規のカーブをあて、線を引きます。雲形定規はたくさんの曲線でできていますが、1つのカーブだけで全ての曲線に対応できるわけではありません。その場合は、1本の曲線をいくつかの部分に分けて、部分ごとに定規から合うカーブを探し、あてます。線をつなぐ時は、継ぎ目が滑らかにつながるように注意しましょう。 曲線を引くための定規には、雲形定規の他にも、任意の曲線を引くことができる「自在曲線定規」があります。これは塩化ビニール製のチューブの中に金属の芯を入れたもので、自分で任意のカーブに曲げて使用します。ただし、小さな曲線には使いづらい場合があります。自在曲線定規は、目盛りの有無や、長さ(30cmから80cm程度)によっていくつかの製品があります。この他の、曲線を引くことのできる定規としては、5枚1組で、楕円やスパイラルなどの幾何学的な曲線を引くのに向いている「ユニカーブ」があり、特殊なものとしては、鉄道路線の製図に使用される「アール定規(鉄道カーブ定規)」があります。アール定規は、微妙な曲線の違いによって100枚がセットになったものもあります。雲形定規やユニカーブなど、曲線を描く定規類は、画材店や製図用具を扱うお店で購入できます。

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参考文献
・「ドローイング・モデリング」横溝健志 小石新八/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「だれにでもわかる製図用具の正しい使い方」工藤竹美/著 工業調査会 1980年
・「ものづくり 道具のつかい方事典」峰尾幸仁/監修 岩崎書店 2002年
・「絵とき 機械図面のよみ方・かき方」小町弘/著 オーム社 1991年

監修
小石新八 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2009年01月29日作成

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  • 雲形定規雲形定規
  • 求める曲線が一度で描けないときは別のカーブを使います求める曲線が一度で描けないときは別のカーブを使います
  • つなぎ目がきれいにつながるよう気をつけましょうつなぎ目がきれいにつながるよう気をつけましょう
  • ユニカーブユニカーブ
  • 自在曲線定規と文鎮自在曲線定規と文鎮

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