糸綴じ いととじ

Sewn Binding

糸綴じ(いととじ)とは、書籍などの冊子で、中身となるすべての折丁(印刷した用紙を冊子の大きさに折りたたんだもの)の背の部分を糸でかがって綴じ合わせることをいい、「かがり」ともいいます。
丈夫で、冊子をノドまで開くことができることなどから、折丁を綴じて冊子のかたちにする方法のなかではもっとも本格的なものです。
糸綴じには専用の機械を使う場合(機械綴じ)と手作業で行う場合(手綴じ)がありますが、量産される出版物では機械綴じによるものがほとんどで、手綴じは主に工芸製本の分野で行われています。折丁に糸を通すかがり方は機械綴じと手綴じとで異なり、また手綴じおけるかがり方にも種類があります。綴じるための糸には木綿糸(カタン糸)や麻糸などが用いられ、糸の太さや折丁を綴じる箇所の数は冊子の判型や用紙の質に応じて異なります。判型の大きい冊子や厚い冊子の場合、製本の強度を高めるために、木綿や麻の布テープを背にかがり付ける処理(テープ綴じ)が行われる場合があります。

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参考文献
・『出版編輯事典 上巻』清光館書房、1934
・日本印刷学会編『印刷事典』大蔵省印刷局、1958
・『出版事典』出版ニュース社、1971
・『出版編集技術 上・下巻』日本エディタースクール出版部、1978-80
・関善造『増補・編集印刷デザイン用語辞典』誠文堂新光社、1980
・『標準 編集必携』日本エディタースクール出版部、1987
・『出版社の日常用語集 改訂版』日本書籍出版協会、1988
・デザイン編集室編『編集ハンドブック 第6版』ダヴィッド社、1997
・帆風出版プロジェクト編『印刷用語ハンドブック 基本編』第2版、印刷学会出版部、2007
・貴田庄『西洋の書物工房』芳賀書店、2000

監修
金子伸二 通信教育課程芸術文化学科准教授

作成日・改訂
2008年01月30日作成