段ボール だんぼーる

Corrugated Cardboard

段ボールは、厚さと硬さを持った紙(板紙)からできていて、波形に成型された中芯(しん)と、その片面もしくは両面にライナーと呼ばれる紙が貼付けられた構造を持つ紙です。段ボールを特徴づけている、波の形をした段はフルートと呼ばれます。段ボールは、この段の数とライナーの数によって種類が分けられ、用途や性能に違いが出てきます。JISでは、段ボール30cmあたりの段の数によって、主にAフルート、Bフルート、Cフルートなどに分けられています。また、ライナーの数では、ライナーを片面に1枚だけ貼った片面段ボールをはじめ、両面段ボール、複両面段ボールなどがあります。また、通常の段ボールとは見かけが異なり、非常に高い強度を持った、ハニカム状(蜂の巣状)の段ボールもあります。

段ボールは、波形に成形した素材の特質から、他の紙には無い、特有の触感や厚み、ザラつき、クッション性、といった特長を持っています。また、軽くて高い強度を持った板状素材であることを活かし、立体構成やインテリア素材としても利用されるなど、環境問題に対しても、多くの可能性を含んだ素材といえるでしょう。

現在では、箱にして梱包材として利用されることの多い段ボールですが、もともとは19世紀中頃のイギリスで、シルクハットの内側に入れて汗取り用に使われていたのが原型とされています。後にアメリカで、瓶などの割れを防ぐ緩衝材として用いられたものが、輸送容器としても利用され、今日に至っています。段ボールは、画材店や梱包資材を扱うお店などで購入できます。

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参考文献
・「紙パルプ事典」紙パルプ技術協会/編 1989年
・「紙の大百科」美術出版社 2001年
・「紙 基礎造形・芸術・デザイン」朝倉直巳/著 美術出版社 2001年

参考ウェブサイト
王子パッケージング株式会社
段ボール事報

監修
田中克明 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2008年12月19日作成

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  • 片面段ボール片面段ボール
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  • ハニカム構造の段ボールハニカム構造の段ボール

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