小口 こぐち

Fore Edge

小口(こぐち)とは、書籍や雑誌などの冊子で、綴(と)じられた側[=背]と反対の、開く側にあたる裁断面をいいます。

小口はほんらい切断面を意味する言葉です。現在の一般的な書物の製造工程では、印刷後の製本の段階で、綴じられた側を除く三方(さんぽう)を裁断し外形を整えます[=化粧裁ち]が、この際に裁断された三方の面が小口です。ただし、三方のうち上方は「天」、下方は「地」と呼ばれることが多いため、通常「小口」といえば、綴じられた側と反対の裁断面を指します。ほかの小口と区別して前小口(まえこぐち)と呼ばれることもあります。裁断面に金箔を付け装飾する小口金(こぐちきん)における小口は、前小口・天・地の三方を指します。
和装本は袋綴じのものが多いため、その場合は背・上方・下方が小口に相当します。このうち背の小口は背書(はいしょ)、上方の小口は上小口(うわこぐち)、下方の小口は下小口(したこぐち)、と呼ばれます。

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関連項目

関連科目

参考文献
・「出版編輯事典 上巻」清光館書房 1933年
・「印刷事典」日本印刷学会/編 大蔵省印刷局 1958年
・「出版事典」出版ニュース社 1971年
・「出版編集技術 上・下巻」日本エディタースクール出版部 1978年-80年
・「増補・編集印刷デザイン用語辞典」関善造/著 誠文堂新光社 1980年
・「日本書誌学用語辞典」川瀬一馬/著 雄松堂書店 1982年
・「標準 編集必携」日本エディタースクール出版部 1987年
・「出版社の日常用語集 改訂版」日本書籍出版協会 1988年
・「編集ハンドブック 第6版」デザイン編集室/編 ダヴィッド社 1997年
・”The Designer’s Lexicon”Chronicle Books‚ SanFrancisco‚2000
“Dictionary of Publishing and Printing” third edition‚ A&C Black‚Lond

監修
金子伸二 通信教育課程芸術文化学科准教授

作成日・改訂
2007年07月17日作成