吸取紙 すいとりがみ

Blotting Paper

吸取紙(すいとりがみ)は、サイジング(滲み防止加工)を一切施していないため吸水性に富んだ紙です。銅版画や木版画(主に水性木版)を刷る際は、用紙をあらかじめ湿しておきますが、その用紙の水分が多過ぎる場合などに、吸取紙を用いて湿り具合を調整します。

吸取紙の基本的な利用方法は、何枚かの吸取紙を重ね、一番上には表面が滑らかな別の紙を置いておきます。そして刷りの直前に、湿した紙を吸取紙の重なりの間に挟み込み、上からバレンや手で擦って圧力をかけて余分な水分を取ります(一番上に滑らかな紙を置くのは、バレンや手のすべりを良くし、吸取紙が痛まないようにするためです)。大作であれば、布などをバレーボールくらいの大きさに丸めて擦ってもよいでしょう。吸水性が大きいので、水分の取り過ぎには注意しましょう。また、吸取紙は余分な水分を取り除くだけでなく、湿した吸取紙に用紙を挟み、用紙に水分を与えるためにも使用できます。ちなみに、これらの作業には、吸収性がよければ他の紙でも代用が可能です。

紙の裏表は見分けにくいのですが、吸取紙は紙肌が若干ザラつきのある面が表側で、やや平滑に感じられる面が裏側になります。基本的には吸取紙の表側を湿した紙の表面に向けて使用しますが、裏表を気にせず使用しても問題はありません。

取り扱いの注意として、作業が終了したら、湿った吸取紙はよく乾かしておきます。湿った状態では吸水能力が低下し、またカビの原因ともなります。吸取紙は正しく使えば、何回でも使用できます。

吸取紙は、版画専門店で購入することができます。

※描画例(写真)は、用紙の特性や表現の可能性を示すためのテストサンプルであり、特定の描画材の使用を薦めているものではありません。(一般的には適していないとされる描画材もあえて使用しています。)

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参考文献
・「版画」武蔵野美術大学版画研究室/編 武蔵野美術大学出版局 2002年

監修
永井研治 通信教育課程油絵学科教授

作成日・改訂
2009年01月29日作成

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  • 吸取紙における描画例

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