ヤスリ やすり

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ヤスリは、押し付けてこすることで素材の角や表面を滑らかにしたり、不要な部分を削り落としたりする時に使用する道具です。ヤスリの材質は金属のものや、紙製・布製などがあります。ヤスリは、表面に「目」と呼ばれる無数の細かい突起が並んでいます。目の種類や、目の荒さ・細かさには多くの種類があります。削る材質に適したものを選ぶことができます。

金属製のヤスリは、その用途によって、木工用や鉄工用などに分けられます。金属製ヤスリの「目」は特徴的によって、単目・複目・鬼目・シャリ目などがあります。また、これらの目は、その粗さによっても、荒目・中目・細目などに分けられます。例えば木材を加工する際は、一般的には、鬼目で荒く削った後、単目や複目を使って形を整えていき、紙ヤスリなどで仕上げるというように作業を進めていきます。また鉄工用として販売されているものは、複目のものが多く見られます。

紙や布といったシート状の基材に研磨剤を接着したものはサンドペーパー、紙ヤスリ、研磨紙などと呼ばれています。細かい粒度のサンドペーパーや耐水ペーパーは、加工作業の仕上げでよく使われています。この他、おろし金のように目が荒く、石膏ボードや発泡スチロールを研磨する時に使用するボードヤスリ、彫金やガラス工芸などの細かい作業には、組ヤスリや精密ヤスリ、ノコギリの目を整えるための目立てヤスリなどがあります。

木工ヤスリや鉄工ヤスリを使って作業をする時は、万力や手で素材をしっかりと固定して使用しましょう。小さくて固定しにくい様なものに関しては、ヤスリ側を固定して研磨する方法もあります。紙ヤスリや布ヤスリには、目の方向はありませんが、鉄工ヤスリや木工ヤスリなどは、押した時に削れるように目が並んでいるので作業の際は気をつけましょう。また、削り屑で目が詰まったら、ブラシでよく払い落とすことが必要です。各種のヤスリは、ホームセンターや工具店で入手することができます。

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参考文献
・「図画工作・美術用具用法事典」相田盛二/著 日本文教出版株式会社 1996年
・「NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所」野本憲一/著 ホビージャパン 2003年
・「道具の徹底使用術」荒井章/著 山海堂 2000年
・「道具大全 手作り、クラフト、DIY。」デザインの現場増刊号編集部/編 美術出版社 1997年
・「道具の使い方コツのコツ3 穴をあける、削る、磨く道具」ものづくり・道具愛好会/編リブリオ出版 2005年
・「DIY工具完全活用ブック」藤岡等/著 山海堂 2003年

監修
小石新八 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2009年05月19日作成