スチレンボード すちれんぼーど

Styrene Board

スチレンボードは、気泡の細かい発泡スチロールでできた薄い板で、建築やインテリア等のモデル制作をはじめ、プレゼンテーションやディスプレイに利用されています。軽量で、カッターなどで簡単に切断・加工ができます。スチレンボードには、ボードの両面に紙が貼ってあるものと、貼っていないものがあります。

スチレンボードのサイズはB5から、3×6(さぶろく)判(=ほぼ1畳の大きさ)まであり、厚さは1mm~7mmのものが主流です。表面に紙が貼っているボードは、白上質紙が一般的です。表面の紙は多くの場合、耐水性がないので、屋外など水に濡れる恐れのある場所では使用を避けるほうがよいでしょう。水彩絵具などで紙の上に直接描く際は、あまり水を含ませ過ぎると、薄いものでは反りが生じる場合があります。またスチレンボードは、やわらかく、傷がつきやすいので、取り扱い時に角をぶつけたり、大きな力が加わったりしないよう気をつけましょう。

建築やインテリアのモデル制作で、スチレンボードを折り曲げたり加工したりする際は、曲面を作りやすい方向(グイっとしなる側)と、曲面を作りにくい方向(パキっと折れる側)があるので、加工する方向に注意しましょう。(制作前に余剰部分を軽く曲げるなどして確認しておくとよいでしょう。)またモデル制作では、スチレンボードの商品パッケージに記載されている厚さ表示だけに頼らず、モデルを実際に、正しく計測しながら制作することが必要です。

発泡スチロール部分に直接、接着剤を使用する場合は、接着剤によっては発泡スチロールを溶かしてしまうことがあります。発泡スチロールに使用できる接着剤であることを確認してから使用しましょう。また、ボードの全面に糊がついていて、表面の剥離紙(はくりし)をはがして使用するものがあります。ポスターや写真などを貼ってパネル等を制作する時など、接着剤を付ける手間を省くことができます。スチレンボードは画材店、大型文房具店などで入手できます。

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参考文献
・「ドローイング・モデリング」横溝健志 小石新八/編 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「デザイン 材料と表現」美術手帖増刊号編集部/編 美術出版社 1982年

監修
田中克明 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2009年01月29日作成