アート紙 あーとし

Art Paper

分類

アート紙は、紙の表面に特殊な加工(白土と糊料のコート剤を塗布し、高圧を加える)をして、紙の平滑性や白色度を高めた、塗工紙(とこうし)と呼ばれる紙の一つで、滑らかな白色、光沢、発色の良さ、写真の高い表現性などが特徴です。

塗工紙は、塗工量の多さに従って滑らかさや白さが高くなり、多い順から「アート紙」「コート紙」「軽量コート紙」「微量コート紙」に区別されます。紙の両面に塗工を施した「両面アート」は、その特徴を活かして高級感のある美術書、写真集、カレンダーなどに多く使用されています。片面だけに塗工した「片面アート」は、ポスターやラベルなどに多く使用されています。

塗工紙と非塗工紙(画用紙やケント紙、コピー紙などの上質紙や中質紙)は、用途や効果などを考えて使い分けると良いでしょう。例えば、写真やイラストといった、図版を中心としたものを印刷するのであれば、一般的には、色の再現性の良い塗工紙が向いています。文字中心であれば非塗工紙のほうが、光の反射が少ないため、字が読みやすいといえます。(つや消しの塗工紙を使うこともできます。)アート紙やコート紙は、各種サイズのものが画材店などで購入することができます。

※描画例(写真)は、用紙の特性や表現の可能性を示すためのテストサンプルであり、特定の描画材の使用を薦めているものではありません。(一般的には適していないとされる描画材もあえて使用しています。)

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関連科目

参考文献
・「洋紙百科 ペーパー&クラフト」朝日新聞社 1986年
・「紙の大百科」美術出版社 2001年
・「紙パルプ事典」紙パルプ技術協会/編 金原出版 1989年

監修
田中克明 通信教育課程工芸工業デザイン学科教授

作成日・改訂
2008年05月23日作成

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  • アート紙における描画例

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