色相環 しきそうかん

Hue Circle

色相環(hue circle)とは、色相を環状に配置したもので、色を体系化する時に用いる方法の一つです。色は光の波長の違いによって、赤・橙・黄・緑・青・紫というように連続的に変化して知覚されます。これを連続的に配列し円環状にしたものを、色相環といいます。

色を正確に伝えるためには、規則的な色の表記方法が必要になります。この色の表示体系をカラー・オーダー・システム(表色系)といい、色相環や色立体によってあらわすことができます。現在よく知られているものには、マンセル表色系、オストワルト表色系、PCCS(日本色研配色体系)など数種類があります。マンセル表色系は、基本5色相(赤・黄・緑・青・紫)の中間色相(黄赤・黄緑・青緑・青紫・赤紫)を加えた10色相からなります。また、オストワルトの色相環は、基本8色相(黄・橙・赤・紫・青・青緑・緑・黄緑)をさらに各色相を三つに分けた24色相からなります。オストワルトの色相環で相対する位置にある二色は補色の関係にあり、補色どうしは混ぜ合わせると無彩色になります。

※掲載している図版は色彩の関係を示した概念図であり、各色彩を厳密に再現したものではありません。また、閲覧環境により色彩が異なって見える場合があります。

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参考文献
・「造形基礎」長沢秀行/監修 小野皓一 樺山祐和 桑原盛行 山本明比古 若林直樹/著 武蔵野美術大学出版局 2002年
・「色彩用語事典」日本色彩学会/編 東京大学出版会 2003年
・「色彩学概説」千々岩英彰/著 東京大学出版会 2001年
・「色彩の基礎 芸術と科学」川添泰宏/著 美術出版社 1996年
・「デザイン小辞典」福井晃一/編 ダヴィッド社 1978年
・「図画工作・美術科 重要用語300の基礎知識」若元澄男/編 明治図書出版 2000年

参考ウェブサイト
「2002-2006年 造形ファイル」 武蔵野美術大学
財団法人日本色彩研究所
大日精化工業株式会社

協力
・財団法人日本色彩研究所

監修
白石学 デザイン情報学科専任講師

作成日・改訂
2008年10月23日作成